コービービーフ?サキー?英語になった日本語、そのアクセント

私の最初の留学先はオーストラリア、メルボルンでした。大学院に入学する直前、現地の語学学校で「短期集中アカデミック英語(8週間)」というプログラムに参加しました。

日本で英会話学校というものに通ったことが全くなかった私。様々な国から、様々な目的で英語を勉強しに来ている学生たちとの学校生活。年齢も、英語のレベルもばらばら。全てが新鮮で、毎日がカルチャーショックの連続でした。

その中でも、私の中でとっても衝撃が大きかった出来事があります。それは、最初のクラスで自分の名前を言ったときに、先生が黒板に”Ake“と書いたこと。

「えー、アキって言ったら普通Akiって書くでしょー。」と激しく驚いたこと、今でも鮮明に覚えています。

外国人が「あいうえお」で音を識別するわけないでしょう!って、今なら簡単に理解できるけれど、その時の私は「日本の常識」を無意識のうちに「世界の常識」と勘違いしてしまっていたのですね。

この例でもわかるように、英語では文末が”e” の単語は”ii”(イー)と発音される傾向があります。

今アメリカで人気上昇中の日本酒。”Sake”という言葉をメディアなどで見たり聞いたりすることが多くなりました。アメリカ人はもちろん日本人のように「さけ」とは発音せず、サキーと発音します。

そして、こちらも少しずつ一般家庭に浸透中の「しいたけ shiitake」!これはシイタキー。ちなみに舞茸はマイタキー。他にも、神戸ビーフ→コービービーフ。枝豆→エダマミー。

ブラジルで開催された今年のワールドカップ。アメリカのニュースを見ていた時のこと。実況の人が「キースキー、キースキー」と叫んでいました。画面には日本のチームが映っています。よく聞いていたら「本田圭祐」選手の名前を呼んでいたようです。わからなすぎる。。。

英語の単語を日本人が読みやすいように発音するように、その人の母国語によって、得意な音、不得意な音、発音しやすい、しにくい音があるのですね。

外国人がカラオケを「カラオキー」と発音した時は、やさしく聞き流してあげましょうね。

カップボード、ゴーグル、英語で発音すると…

カタカナ英語にもいろいろあります。

ペットボトルやベビーカーなど英語には存在しないけれど、英語だと信じて使われているもの。

スーパー(supermarket)、デパート(department store), アイス (ice cream)など、短縮して使われているもの。(このまま英語にしても通じない。)

英語以外の言語から借用されているのに、英語として定着しているもの。フランス語のアベック(avec=with)やドイツ語のアルバイトなど。

そして、英語ではあるけれど、カタカナとは発音が似ても似つかないもの。タイトルにも書いた「カップボード」と「ゴーグル」がその例。日本語環境で育った方で、ネイティブスピーカーが発音する「カップボード」と「ゴーグル」をちゃんと聞き分けられる人はほとんどいないのでは。。。それくらいカタカナ発音とのギャップが激しい。

この二つの単語の発音を知りたい方は下のリンクから、ネイティブスピーカーがそれぞれの単語をどう発音しているか聞いてみてください。リンク先はFORVOというサイトなのですが、アメリカ、カナダ、イギリスなど複数の国のユーザーの発音が聞ける他、それぞれのユーザーの住んでいる地域も特定できるので、バリエーションが一目瞭然。興味深いです。

Cupboard pronunciation 

Goggles pronunciation

英語の発音って大人には習得不可能?

「日本人は発音が悪いから、何回も聞き返されて、それで嫌になって勉強自体をやめてしまう人が多い。」と人が言うのをよく聞きます。

それが事実だとしたら、とてももったいないことだなーと思います。

大人になってしまったら「きれいな」発音はもはや習得できない、と思い込んでいる方が多いようですが、本当にそうでしょうか。ネイティブスピーカーと間違われるような発音には届かないにしても、自分の言いたいことがきちんと正確に相手に伝わる、そんな英語の音を身につけることは、大人になってからでも十分可能です。

日本人の英語学習者の場合、「発音が悪い」または「できない」というより、正しい発音を「知らない」だけのことが多いようです。カタカナを読む感覚で英語の子音を発音してしまったり(”two”を「ツー」と読む、”c”の音を「シー」と読む、”list”を「リス」と母音を付け足して読むなど)、アクセントを置く場所が違ったり。

私自身、領収書が欲しくて、カタカナ英語で「レート」を連発。お店の人に何度も聞き返されたあげく、紙とペンを持って来られた経験もあれば、”tuna”を「ナ」と発音してわかってもらえず、泣く泣く別のものを注文したことも。

そんな私ですが、たくさん聞いて、話して、間違った結果、今では日本人の知り合いに「カナダ人のシンシアっていう友達がいて、、」と言われて、カタカナの「シ」と”c”の音が結びつかず、「中国系のカナダ人?Shinさん?」と自動的に解釈するくらい音に敏感になりました。

一つ一つの発音も大事ですが、文のどこにアクセントを置くか、どこで息継ぎをするか、といった要素も重要です。日本語のリズムはモノトーンなので、英語を話していても単調になってしまいがち。文の切れ目や単語のまとまりが見分けにくく、聞き手に余計な負荷をかけてしまいます。

人によっては、どれだけ練習しても苦手な音というのは残るかもしれません。私の場合は”L”で始まる単語がとっても苦手で(lid, lap, Larry, Lauren, などなど) 今も特訓中です。何回言っても相手にわかってもらえないときは、別の単語に替えてみたり、言葉を補って説明したりすると、「あーー」とわかってもらえて、さらに正しい発音の仕方を教えてもらえるかもしれません。

一つ強調しておきたいのは、相手はあなたの英語の発音を皮肉ったり、批判したりするために聞き返しているのではなく、あなたとのコミュニケーションを成立させたい一心から聞き返すのだということ。「聞き返された=ばかにされた」と思っているのは本人だけだということを忘れないでいてください。

苦手な発音があるという方は、こちらのサイトで特訓しましょう。アメリカ英語を話す時の舌の動きや口の形、喉の使い方など、ビデオで詳しく説明してくれています。

 Rachel’s English

 

一個でもドーナツ!?思い込みから自由になるためにできること。

大学卒業前に友達と二人で行ったニューヨーク。貧乏旅行だったので、食事はいつもデリのサンドイッチとか街角で売っているプレッツェルでした。

ある日、友達と別行動で街を歩いていた時、小腹が空いて近くにあったコーヒーショップに入りました。コーヒーと一緒にドーナツを食べようと思い、「ドーナツ一つください。」とキャッシャーのお姉さんに声をかけました。

お姉さん、怪訝な顔。「あれ、通じてない?変なこと言った?」自分が言った英語を思い返してすぐに気づきました。「ドーナツ」って英語だと”doughnutS”で複数形なのだということを。

”Can I get a doughnutS?”って言われたら、「結局ドーナツいくつ欲しいわけ?」って誰でも戸惑ってしまいますよねー。

1個でも複数でもドーナツはドーナツと思い込んでいた私にとって、この出来事はかなり衝撃的でした。長期留学の経験がなかったとはいえ、日常生活でできるだけ英語のメディアに触れるよう心がけていました。単数形の”doughnutを何度も目にしたり耳にしたりしていたはず。それなのに実際に聞き返されるまで気づけなかったなんて。。。思い込みって恐ろしい。

じゃあ、思い込みの罠から自由になるにはどうしたらいい?

学んだそばからどんどん使って、失敗する中で気づいていく以外ないのではないでしょうか。

「痛い思いをして、身をもって学ぶ」ことを英語では、learning the hard wayといいます。痛い思いをして学んだことは絶対に絶対に忘れません(経験済み!)。

The secret to success is a failure. (成功の秘密、それは失敗することにあり)

たくさん失敗して、恥をかきながら英語の感覚を磨いていくのが、遠回りなようで一番の近道なのですよね〜。

下のビデオは、クリスピークリームのグレーズドドーナツ (Original Glazed)を自宅で再現した様子を収めたもの。ビデオは、クリスピークリームのドライブスルーでドーナツを一個注文するところから始まります。単数のドーナツ(!)がどう発音されているか見てみてください。揚げたてのドーナツおいしそう。。。

Krispy Kreme Doughnut Recipe Video